新たな挑戦は”物流”という未開拓領域にあった。レガシーTechにおける、プロダクトマネジメントの難しさと面白さ <現役プロダクトマネージャーの本音#1>
こんにちは!オープンロジnote編集部です📦三
今回は、オープンロジの“プロダクトマネージャー”について発信するインタビュー記事です!💻
なんとなんと、こちらの記事、豪華2本立てになります💪
第1弾:
・プロダクトマネジメントチームをリードする、3人の経歴
・知ってほしい、toBサービスの難しさと面白さ
・オープンロジである理由
・社会問題化している物流の課題とは
・「オープンロジ」という社名にこめた想い
第2弾:
・誰と、何を考えながらプロダクトをつくるのか
・プロダクトマネージャーとしての意識
・プロダクトマネージャーにとって、最適な環境とは
・オープンロジの、プロダクトマネージャーの魅力
・現役プロダクトマネージャーが考える、これからのキャリア
・オープンロジの可能性
是非、ご覧ください💙
インタビュイー
ーー まずは皆さんの経歴を教えてください。
高橋:私は以前はERPパッケージを開発している会社で、PMを経験したのち、アプリケーションコンサルタントとして働いていました。主な業務内容はアプリケーションをどう活用するかとか、業務系のコンサルティングですね。オープンロジには2020年に入社しています。
桐生:私はオープンロジに2018年に入社していて、その前はアスリート向けのアパレルメーカーや小売業において、サプライチェーン領域の業務プロセス改革をしたり、大手外資系物流企業で倉庫内の業務改善をしていました。
西田:私は前職は大手人材系の会社で、学生が使用するWebサイトのプロダクトオーナーをしていました。その前は小売業向けの業務改善コンサルタントも経験していて、オープンロジには去年入社しています。
toBサービスの、“システムの裏にある動きまで考える”難しさと面白さ
ーー 高橋さんと西田さんは元々システムを活用する・つくる側にいましたよね。システムと言ってもtoC・toBとある中で、toBシステムのプロダクトマネージャー(以下PdM)を選んだ理由を教えて下さい。
高橋:私は事業会社で一つの事業を成長させていきたいと思い、自社サービスを持った会社を探していました。その中でも、ERPシステムのコンサルティングの仕事をしている中でtoBサービスの面白さを知り、サービスに必要なプロダクトを自分で考えてみたいと思ったのが理由です。
具体的に言うとC向けの場合、システムとユーザーで完結することが多いですが、B向けの場合はシステムの裏に別の動きがあるんです。物流でいえばモノの動きや、モノを運ぶ作業者のオペレーションなどですね。そういう、フロントエンドだけじゃなくてバックエンドの動きも含めて、システムでどうユーザーに価値を届けるのかを考えるのが面白かったので、toBサービスに興味を持ちました。
西田:私も高橋さんと同じですね。
私の場合は前職でBtoBtoCサービスを企画していたのですが、その中で「toCの部分を改善しようとしても、toBの部分を解決しないとどうにもならない・かつその解決がすごく難しい」といった場面に直面することが多くありました。
例えば旅行予約のサイトを作る仕事をしていた時の話でいうと、画面のデザインやキャンペーンの実施など、サイトを利用して頂くにあたってできることは多々あるのですが、本当にユーザーが求めているのは実際に旅行する時の体験を良くすることだと思います。より美味しそうな食事を見つけるとか、何かあった時のキャンセルがスムーズに済むとか。
そしてそれを実現しようとすると、どうしても事業者側(ホテルや飲食店など)に調整をかけてもらう必要があります。その結果、事業者側の業務フローの再設計とか、膨大な調整や手配が必要になってくるんですよね。そしてこの調整が非常に難しい、と。
toBでしか解決できない難易度の高い課題に対して魅力を感じていたので、B向けの会社をメインに選考を受けていて、オープンロジのことはスカウトをもらって知りました。
ーー お二人に対して桐生さんはメーカーや小売業においてサプライチェーン領域の業務改善を担当されていたとのことですが、なぜオープンロジに興味を持ったのですか?
桐生:”業務改善”についてもう少し補足すると、商品や原材料の供給元や輸送手段の選定・改善といった現場最適化の仕事、それに付随したシステムの導入などを担当することが多かったです。既に導入されたシステムがある場合は、現場の運用に沿ったものとなるように調整する役割も含まれていました。
そこには物流の運用や改善も含まれていて、その辺りの経験を沢山積めたのは良いのですが、ふと「このまま同じ職務で転職をしても、結局同じことをゼロからやることになるんだな」と思う瞬間があったんですよね。根本的な解決に繋がっていないというか。また、課題解決にシステムが必要となった時も、ITベンダーに課題を伝えるまでかソリューションの提案までで、自分の立場では解決までもっていくことができなかったことが多々ありました。自分の物流領域でのキャリアを活かしつつ、業界全体を俯瞰して、システムも含め課題を根本的に解決することに挑戦できる仕事、会社がいいなと思い、求人媒体でオープンロジを見つけ、興味を持ちました。
最適解もまだない業界。だから面白い
ーー 皆さんがオープンロジを選んだ理由を教えてください。
高橋:オープンロジはtoBシステムの中でもより難易度が高くて面白いと思ったからです。オープンロジのシステムを考える場合、システムを使って作業をする荷主様(EC事業者様)や倉庫事業者様など多くのステークホルダーがいてその人達の業務オペレーションを考えないといけない上に、そこで発生する「モノの流れ」についても考えないといけない、という所がとても面白そうだなと思って決めました。
ーー モノの流れというと、具体的にはどんなことですか?
高橋:例えば荷主様が「在庫を切らさないように商品を入れ続ける」ということを実現しようとしたとき、在庫を切らさないためには商品がどのように製造されているのか(大量生産が可能な工場でつくられているものなのか、卸業に仕入れているのか、など)を考慮しないといけません。それによってどのくらいの期間で、一度にどのくらいの量が届けられるのかが変わってくるので。
商品を預かる倉庫にしても、作業員の方々はずっとPCの前に座っているわけではなく、人力ないしはフォークリフトなどを使って広い倉庫の中から商品を梱包作業場に持ってくるなど、一つ一つの工程(モノの流れ)を経て、購入者に届けられるようにしています。
Tips:倉庫内の詳しい工程はこちらの記事に記載されています
(オープンロジのシステムで)一気通貫で物流を担うということは、作られた商品を、無事に遅延なく、品質を保ったまま届けるということです。その為にどんな機能が必要なのか、倉庫様に何をしてもらえればいいのか、物流の一連の流れをつくる裏の事情をちゃんと考えないといけないんですよね。
そして、その一連の流れは荷主様・商品によっても変わります。単純にすべてを標準化すれば良いという訳ではありませんので、どこまでいっても伸び代のあるプロダクトづくりになるというのが、他社にない魅力でした。
実は私、最初はデザイナー職で選考を受けていたんです。でも、オープンロジのPdMならUI/UXも考えられるし、プロダクトの企画もできるし、まだまだ人数も少ないので組織作りも含めてやれることがすごく多くて、デザイナーよりも面白そうだなと思ったのも、もう一つの決め手です。
桐生:私がオープンロジを選んだ理由は、転職軸の通りのまさに業界全体を俯瞰して課題の根本解決に向かっている会社だと感じたという他に3つあって、
1つめは自分の物流領域でのキャリアを活かしながら、テクノロジー領域に挑戦できる、というところですね。前の会社でシステム導入のプロジェクトを進めた経験は一応ありましたが、物流現場での実務がメインの経歴でしたし、開発の経験が無いままPdMとして働けるのか不安もあったのですが、オープンロジのPdMはシステムに関する知見があれば開発の経験は必要ありません。
もちろん中には高橋さんのようなエンジニアのバックグラウンドを持ったPdMもいますが、そうでなくても挑戦する機会をくれました。
2つめは多くのステークホルダーと関わりがあることです。例えばメーカーだと自社が選んだ倉庫しか関わることができません。オープンロジであれば、倉庫ネットワークを持っているので沢山の倉庫のお話が聞けますし、荷主様にもシステムをご利用いただいているので様々な商品を取り扱う荷主様のお話も聞けます。そこで沢山の情報に触れることで、自分がこれまで得たソリューション以外にも、新たな知見を得られることに魅力を感じました。
3つめは、物流が抱える課題の解決方法に、まだ最適解が無い、という点です。
オープンロジの挑む物流業界は、いまだにアナログな部分が多いために情報のネットワークが築かれていなかったり、(情報が無いために知見のシェアが無く、)個別最適化してきたが故に”業界の課題”を解決するための最適解はつくられていないことが多く、「そもそも何が必要なのか?」を考えるところから始まります。
私が他に内定を頂いていた会社は(そもそも物流業界ではなかったのですが)、「既にある程度課題解決のための型ができていて、その組み合わせを考える」ようなお仕事でした。
オープンロジの業務の方が、考える余白が多いのが非常に魅力的でしたね。
西田:私は最終的に、今までの経験をそのまま活かせる人材系の企業かオープンロジで迷っていたんですが、決め手は桐生さんの3つめの理由に近いですね。
前職では事業領域が既にレッドオーシャンで、何かやろうとすると誰かが既に考えている状況が多くありました。競合を見て機能が必要かどうかを考えるなど、気づくとユーザーではなく競合をみていた、といったこともありました。
最適解がまだ無い、という言葉が桐生さんからもありましたが、物流領域の場合は、課題は沢山あっても解決に挑んでいるプレイヤーが少なく、ゼロベースで課題解決に向き合えます。ユーザーや現場と向き合いながら手探りでソリューションを模索する必要があるため、PdMとしても経験を積みやすい環境だと感じました。
それから私はUX設計にも興味がありまして、B向けサービスの中でもオープンロジのように倉庫現場で実際にオープンロジのシステムが使われる様子を観察しながら、モノの流れとオペレーションを考慮したUXをつくる経験が積めるというのは、Webだけで完結する普通のB向けサービスをつくるよりも成長できるのではと考えたところもあります。
ーー 挑んでいるプレイヤーが少ない、とありましたが他にも物流Tech系のサービスはある中で、オープンロジは他社と何が違うのでしょうか?
西田:物流Techの中でも配送フェーズの最適化や、在庫管理系のツールを提供する企業は確かに数多くあります。ただ、倉庫業務の領域までフォーカスした会社はあまりありません。オープンロジはシステムの提供をするだけでなく現場にも目を向けて、倉庫(しかも自社倉庫ではなく全国の提携倉庫)内で行われるオペレーションの品質がどうすれば上がるのかなど、実際の現場の姿も見ながらシステムを作っています。そういった会社はほとんどないんですよね。
先ほど高橋さんが言っていたフォークリフトの話もそうですが、倉庫内の作業はシステムで完結しません。実際に倉庫に行ってみると、システムを使っていてもそれ以外の部分で倉庫さんが抱える課題は様々あって、解決策を持っていない。その解決まで考えながら必要な機能をつくっていく、というのはある意味ブルーオーシャンで新しい価値をつくっていくようなものですし、あらゆる領域でSaaSプロダクトが乱立している中、貴重な経験ができていると感じています。
参入しにくい領域で、情報をオープンにする
高橋:倉庫の改善に取り組んでいるTech企業って本当に少ないですよね。
桐生:そうですね。伊藤さんが明治大学での講義でもコメントしていましたが、おそらく倉庫業界を構成する約9割の企業が中小企業だということが背景にあると思っています。
↓明治大学での講義詳細はこちら
そもそも倉庫の中の状況って普通に生活していたら知ることないじゃないですか。そして実際に調べてみても、具体的にその倉庫が何が得意な倉庫なのか、高品質なオペレーションを遂行してくれるところはどこなのか、ほとんどわからないのです。
そしてそれは物流業界内の方々も同じで、他社とのネットワークを持っている企業はあまりなく、情報が無い中各々の企業が自社の中だけで、個別でどうにか頑張っている状況なんです。だからサイロ化(個別最適化)していくし、外から改善に手を付けようとしてもどこから何をしていいかわからない。
情報を整理するだけならシステムを入れればOK、と考える方もいらっしゃると思いますが、倉庫内のオペレーションは人の手作業によるものが多いですし、未だに紙ですべてが管理されていることも多く、データ化もされていません。荷主様も様々な商品を扱っていますので、すべて同じオペレーションで作業をすることもできません。さらに、配送業者とも連携しなければなりません。多種多様なステークホルダーがいて、本当になかなか参入しにくい領域なんですよね。
桐生:オープンロジ、という社名は「情報をオープンにする」というところからきています。まだまだ多くが知られていない、暗黒大陸とも呼ばれる物流業界の中でネットワークを作って、情報をオープンにして、システムで効率化・データ化していくというのはとても価値のあることだと思っています。
ちなみに大手の物流企業さんが運営する倉庫も、システムを導入して、商品のカテゴリごとなどに分けて人を沢山配置しているために、扱う物量が多くても回せていることが多いです。オープンロジのように業界全体をネットワーク化して、更に難易度の高い様々な倉庫の環境を標準化に向けて挑戦している会社は、ほぼないんじゃないかなと思っています。
結び
オープンロジのPdMについて 第1弾、
いかがでしたでしょうか?✨
第2弾では、
・誰と、何を考えながらプロダクトをつくるのか
・プロダクトマネージャーとしての意識
・プロダクトマネージャーにとって、最適な環境とは
・オープンロジの、プロダクトマネージャーの魅力
・現役プロダクトマネージャーが考える、これからのキャリア
・オープンロジの可能性
をお届けします。
是非、ご覧ください!!!