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「実現不可だ」と笑われた挑戦。“時代に取り残された物流業界”にTechnologyで変革を挑むオープンロジ

こんにちは!オープンロジnote編集部です🧑‍🎓
11月某日、弊社代表取締役CEOの伊藤が、母校である明治大学のシンポジウムにて登壇致しました🎉

シンポジウムのテーマは
「流通を取り巻くプラットフォーム・ビジネスの現状と今後の方向性」。

当日はCBcloud株式会社の代表取締役CEO 松本 氏も登壇され、それぞれの創業当時の話や想い、大切にしている価値観をお話しされました。そしてシンポジウムの後半では「プラットフォーム・ビジネスの取り組み ー理論と実態の検証ー」と題して、

・プラットフォームビジネスにおける難しさと挑戦
・今後の事業展開について

がありのままに語られました。

今回はその登壇より、伊藤が語った内容についてピックアップし、皆様へ共有させていただきます🎁

この記事でわかること💡
①オープンロジ創業のきっかけ
②オープンロジが挑む市場の大きさと課題
③オープンロジが大切にする価値観
④オープンロジが目指す世界

【プログラム】
■10:00-10:10 開会挨拶 「DX 時代のプラットフォーム」 明治大学商学部教授 菊池一夫様
■10:10-10:40 「プラットフォームとしての生成と発展」株式会社オープンロジ 代表取締役 CEO 伊藤秀嗣(30 分)
■休憩(5 分)
■10:45-11:15 「プラットフォームとしての生成と発展」CBcloud 株式会社 代表取締役 CEO 松本隆一 様(30 分)
■休憩(5 分)
■11:20-11:40 ディスカッション(20分)テーマ「プラットフォーム・ビジネスの取り組み ー理論と実態の検証ー」
参加者(伊藤秀嗣、松本隆一様、上遠野知則(株式会社シーアールイー)様、菊池一夫様、町田一兵様)
■11:40-11:55 学生からの質問(15 分)
■11:55-12:00 閉会挨拶(明治大学商学部教授 町田一兵様)

司会:明治大学商学部教授 町田一兵様

プラットフォームとしての生成と発展

オープンロジ創業のきっかけとなったプロジェクト

伊藤「僕が大学を卒業する2002年頃は、ネットバブルが崩壊して、ネットビジネスに対して懐疑的な時代でした。EC化率も1%に満たないような状況でしたが、自分の中ではインターネットが普及、高速化され、そこで生まれるビジネスはどんどん出てくるだろうと思っていたんですよね。そこで生まれるビジネス自体がどう成り立つのか、どう成長していくのか、将来的に起業も考えていたので、知りたい、経験したいと思ったのです。そこで、ネットエイジ(現:ユナイテッド株式会社)の門戸をたたいて入社させてもらいました。

そこで関わったのが富士山マガジンサービスの「雑誌の定期購読をECで売る」というプロジェクトです。」

事業成長の障壁となっていた物流

伊藤「そのプロジェクトの中で“倉庫会社を見つけ、雑誌の管理業務をお任せする仕組み”をつくったのが、オープンロジを創業する大きなきっかけとなりました。

年間購読が注文されると富士山マガジンサービスから出版社へ発注がいきます。発注を受けると出版社では雑誌をオフィスからピッキングして、梱包し、配送業者に集荷してもらって発送するという一連の流れが発生します。

そこで多くの物流課題が出てきました。出版社には中小規模の出版社も多く、発送作業ができる人員も多くはいません。中には編集長が発送業務を行う会社もありました。そして発注数が多くなると、配送遅延が起こったり、違う品物がお客様の下へ届いてしまったり、在庫管理も紙ベースのアナログなものだったので、発注があったのに実物がもうなくなっていて注文商品が届けられない等、物流オペレーションの質が低下する自体が発生してしまったんです。

そこで、“まとまった部数をあらかじめ提携先の倉庫に保管・管理しておいてもらい、発注があった時に「倉庫へ依頼を出すだけ」でお客様にスムーズに注文品を届けてもらえる仕組み”(物流業務の一元化とアウトソーシングの仕組み)をつくりました。すると、物流のミスは減り、お客様からのクレームも少なくなっただけでなく、出版社が本来の業務に集中できるようになることで、出版社の売り上げも再成長しました。

市場規模13.7兆円。更に伸び続けるEC市場のポテンシャル

伊藤「このようなシステムは当時は一般的ではありませんでした。ただ、それに対してEC市場のトレンドは非常に拡大しており、BASEやSTORESのリリースにより毎月何万もの小規模なストアが開設され、市場が伸び続けていました。今では物販系ECには13.7兆円もの規模がありますし、日本のEC化率でいえば中国やアメリカに比べてもまだまだ成長余地が大きく、長期で見ていってもハイポテンシャルな市場です。

このようなグロース市場に対して、物流を一元化し、アウトソーシングできるサービスは非常にニーズが高く、ECのマーケットが伸びていく中でチャンスなんじゃないかなと感じました。」

拡大・多様化するECに対し、“取り残されたアナログなシステム”と“変わり映えの無い倉庫のHP”

伊藤「そして、倉庫側にもあるべきとのギャップがありました。
EC事業者が商品を倉庫に保管してもらおうと提携先を探そうとすると、どこの倉庫会社のHPも似たようなもので、価格(保管料)も書いておらず、どんな運用をしてくれるのかも書いていない状態だったんです。

やっと自社の商品に合う提携先を決めた後も、利用を開始するまでには1か月以上の準備期間を要したり、保管する物量が少なかったとしても倉庫側で決められた坪単価での料金形態で契約をせざるを得なかったり。運用後も出荷の依頼をメールで送る等、レガシーかつアナログな対応が求められてしまうような状態でした。」

「物流版AWS」で物流の悩みを持たない世界に

伊藤「その頃、丁度AWS *1 というインフラが急成長していたタイミングでもありました。

先述の倉庫の現状もあり、EC事業者にとって、AWSのような従量課金ですぐに利用できるサービスは非常にメリットが大きいものでした。物流インフラもそのような姿であるべきだと考え、「物流版AWS」をサービスコンセプトに、今の「OPENLOGI」は生まれました。

*1 サーバーをクラウド化し、Webから従業課金で誰でもサーバーを立ち上げられるサービス

サービスコンセプトは「物流版AWS」。あらかじめオープンロジが倉庫と提携し、利用開始準備が整った状態でEC事業者様へシステムを提供します。

「物流」が事業成長を加速させる

「OPENLOGI」システムを利用することにより、EC事業者は倉庫をすぐに使用することができるようになるだけでなく、事業成長、スケールの増大・縮小にあわせて拡張性のある倉庫利用や、配送のフィジカルなリソースを利用可能にしていくことができるようになりました。さらに、物流のアウトソーシングができることにより、EC事業者様は物流の悩みを持たずに済み、事業の成長を加速させることに集中できます。

また、EC事業者様に安心して物流をお任せいただけるよう、オープンロジは倉庫事業者様の現場改善にも協力させていただいています。そうすることで、倉庫事業者様にとっては新たな顧客獲得の窓口を設けられるだけでなく、データを起点としたオペレーション改善、生産性の可視化等、アナログな環境からの脱却も可能になりました。

こうしてオープンロジはEC事業者様、倉庫事業者様への提供価値を増やし、自社を含めた”三方良し” *2 を実現しながら、事業を拡大してきました。
創業した当時は「そんなサービス、実現不可だ」と笑われたこともありました。ですが、今では株式会社ハンズ様や株式会社リコー様、ヤマハ発動機株式会社様等、大手企業様へのDtoC事業の参入サポートもさせていただくまでに成長しています。

今後もオープンロジは、日本で一番の提携先の拠点とスペースを抱え、倉庫を仮想化し、データを起点に今までの物流の在り方を、サプライチェーンも含めて全体最適化していくような世界観を目指していきます。」

*2 この”三方良し”は現在のオープンロジのValue(行動指針)へ「Triple win」として反映され、社員全員が念頭に置きながら日々業務を進めています。

ディスカッション

各社のプレゼンテーションの後には、登壇者によるディスカッションが行われました👥
ここからは、ディスカッションの内容から伊藤の回答を抜粋し、ご紹介いたします✨

ディスカッション参加者:
CBcloud株式会社 松本様(以下、松本)写真左
株式会社オープンロジ 伊藤(以下、伊藤)写真中央
明治大学商学部教授 町田様(以下、町田)写真右

ーバラつきのある中小業者を束ねるのは至難の業。プラットフォーム提供における“標準化”をどう実現してきたか?

伊藤「標準化については会社の中でも議論になっていて、標準化=画一した部分、「これしかやりません」だと利用者様に解約されてしまうんですよね。各商品に対する物流の側面での要求は、EC事業者様の事業や規模によって非常に多様なものとなります。
ただ、プラットフォームとして成長していくためにはいかに画一的にサービスを作るかも大切なので、その辺のバランスが揺れていた時はありましたね。

今はEC事業者様にしっかりと向き合い、

  • プロダクトを汎用的につくるという方針で、要望をしっかり叶えるためにオペレーションを柔軟にする

  • そして、色んな倉庫会社さんを束ねて多様に受け入れができるようにしつつ、システムはしっかり標準化して作っていく

と定めて開発を進めています。多様化するEC事業者様への対応と、倉庫事業者様のオペレーションを標準化していくこととのバランスをとるのは非常に難易度の高い挑戦ですが、物流の全体最適のため、そこに挑んでいきます。」

松本「標準化という所でよく言われていたのは、スポットでくるドライバーさんの品質への懸念です。私たちはそこに対して、品質を標準化するための専門チームを設置し、ドライバーさんへの90項目にも及ぶ細かいルールを作るなど、会社としてかなり注力して取り組んでいます。
普通に考えれば90項目もルールを設定するのはドライバーさんにとって厳しいのでは?と思われるかもしれませんが、きちんと努力をするドライバーさんにとってはものすごくフェアなんですよ。
努力するドライバーさんが報われる仕組みを作った結果、品質も標準化できたのかなと思います。」

空想に近かったオープンロジのサービス

町田「2年前にオープンロジさんを訪問させていただいた際、そもそも倉庫会社というほとんどが中小事業者である界隈を束ねていくというのはこれまで空想に近いものでした。そこに対して実際に取り組んでいる人がいることに驚きを覚えたのを覚えています。

日本の物流はまさに1990年代の規制緩和に匹敵する大変動という時期に差し掛かっています。
そういう意味でも、オープンロジさんやCBcloudさんがやっていることは、日本の物流業界を確実に変えていくんじゃないかなと思っています。」

ーさらなるサービス領域の拡大イメージはあるか?

伊藤「今のメインのお客さんはEコマースの事業者さんがメインですが、これからはEコマースだけというよりも、オフラインの店舗もしっかり販売チャネルとして、多様な売り方に中小の事業者さんも参加できるような社会になってくると思っています。

そこに対してオープンロジは、コマースという部分の、”商業”を支えるサービスに進化していきたいと思っています。

私たちは倉庫を拠点としてどこに在庫を置くのか、どの注文に関してどのルートで発送するのか、そもそも拠点をどこに置くのかから発想しなければ、物流の全体の最適化はできないと思っています。
なので、私たちは全国500拠点の倉庫ネットワークをつくりつつ、どこに在庫を分散させておいて、どういう配送事業者を使うのか、どう商品を届けるのが一番効率がいいのかを解けるような会社にしていきたいと思っています。

CBcloudさんや色々な配送サービスを提供している会社さんと組んで、そういう世界を実現していきたいですね。」

結び

今回の登壇では、伊藤の創業のきっかけの他、

・オープンロジが挑戦する領域のポテンシャル / 市場の大きさ / 課題
・実現難易度が高い、物流の全体最適への挑戦
・物流課題を解決し、”商業”を支えるサービスへの進化を目指して

といったお話がありました。

私たちは、私たちの挑戦が必ず、レガシーなまま取り残されてきた
物流業界全体の課題を解決し、経済発展につながることを信じています。

少しでも私たちの「🏔高い山🏔への挑戦」が、皆様へ伝われば幸いです🎁

お知らせ

オープンロジはこの挑戦に一緒に挑んでくれる方、業界に変革をもたらしたい方を募集しています!
少しでもオープンロジにご興味を持って下さった方は是非、

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