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だから物流は面白い。〜物流業界に約30年いたからこそわかる、オープンロジのユニークさ〜

岡田陽一と申します。私は2023年12月にオープンロジに入社し、現在は物流プラットフォーム企画部のVPを務めています。社会人として一貫して物流関連の仕事に携わり計5社で経験を積み重ねてきました。これまでのキャリアから得た知識と経験を活かし、今新たな挑戦に取り組んでいます。

【経歴】
Walt Disney JapanでSCMに携わった後、アマゾンに入社。フルフィルメントセンターのGMを経て、Japan Operetion Regional Directorとして事業拡大に貢献。その後、オープンロジに入社。

“物流管理”との出会い

大学を卒業後、オフィス家具メーカーの物流管理部でキャリアをスタートしました。ここでは物流の基本を学び、現場での経験を積みました。その後Walt Disney Japanに移り、映像ソフトビジネスのSCMや委託先倉庫の管理に11年間従事しました。この期間中に、ERPやWMS(倉庫管理システム)の設計・導入や倉庫オペレーション改善を行い、また関連法令対応など物流オペレーションの理解度を深めました。

2006年、Amazon Japanに加わり計16年間、複数のフルフィルメントセンターでGMを務め、また本社統括Directorとして活動もしました。
センターの運営管理の仕事は、全てのお客様の荷物を「決まった時間内に」「より多く処理していく」ことに悪戦苦闘の日々でした。しかし、物流の起点はやはり現場です。5Sも含め地道な改善活動をチームで推進していました。

Amazonでの仕事はHard Workでしたが、それと同時に、この”物流管理”という仕事に出会えたことを幸運だと思えた日々でもありました。
既存の工程分析や作業観察からムダを見つけ、改善手法を学び実践し解決していくことで品質や生産性向上を通じ、カスタマー(荷主様)に貢献することができる。
同時に、作業の難しさや大変さを見つけ、少しでも楽に簡単に作業してもらえるように改善することで、今度は作業者さんに喜んでもらえる。
そして、それらを仲間とチームワークで取り組み達成することで、自身の成長を感じられる。

カスタマー・作業者・仲間(自身も含め)の3者がともにHappyになれる仕事に出会えたことを幸運に思います。


オープンロジの、ユニークなビジネスモデル

Amazon退社後は、日本の大手物流企業で働いていました。しかし、徐々に新しいチャレンジに挑みたいと思い始めた頃、オープンロジと出会いました。
CEOの伊藤さん、CFOの柳さんはじめ何人かのキーパーソンと話し、成功を目指した具体的なチャレンジへの想い、また過去や現状の課題、悩みなどを包み隠さず語っていただき、その率直さと熱意に引き込まれました。

また何より、そのユニークなビジネスモデルへの挑戦にとても惹かれ、一緒にチャレンジしてみたいと感じました。
日本の物流の中でも倉庫業界は、需給情報のネットワークが限定的でサイロ化(個別最適化)されており、ずっとイノベーションが起こらぬまま古い慣習が残ってしまっていると思います。ここをITで繋ぎ、巨大なフィジカルインターネット(※1)を構築する構想は私の過去の経験でもあまり聞いたことがなく、斬新で面白いと感じました。

※1…フィジカルインターネットとは、複数の企業が保有する倉庫やトラックをシェアリングし、物資を効率的に輸送しようとする、新しい「物流システム」の考え方を指します

ビジネス+ITより引用


個別最適化の原因は、荷主様と倉庫の従属関係にある

そもそも倉庫業界はなぜサイロ化(個別最適化)してしまっているのでしょうか。

あくまで私見ですが、原因の一つとして、倉庫が荷主に対して従属的であることが挙げられます。
倉庫が行う業務は商品の保管と入出荷作業ですが、単なる保管と入出荷作業の提供では、荷主から取り替え可能な存在として見られ、安く見積もられることになります。請負側である倉庫は荷主への依存度が高まり、いつ乗り換えられるか心配で言われるがままの従属関係に陥ります。
私がメーカーで勤務していた時代も製造・販売部門の社内権力が絶大で、物流部門はその狭間の調整役として前後左右に揺さぶられながらの仕事が当たり前でした。今でもそのような位置付けは、変わっていないように見えています。

また、物流の基本的な仕組みとして、荷主は一つの倉庫に商品を保管することが一般的です。その中で、保管先となる大半の倉庫は、中長期間での物量の増減に苦労しています。
荷主が扱う荷物の量は、時期によって増減することがあります。倉庫は、荷主から依頼される保管量が多い時に備えておいた結果、少ない時期は倉庫も人も空いてしまい、収益性が悪化してしまう。日本の倉庫事業者の多くが抱える「物量増減への対応力の弱さ」も、自然と固定荷主への依存度が高くなってしまうことにつながっています。


物流倉庫を、価値が認められるような存在にしたい

私はAmazonでの経験から、高い付加価値を提供する物流オペレーションを構築する事で荷主様や他部署と対等で健全なパートナーシップを築く事ができることを学びました。
工夫し、他社とは違う優れたサービスを提供することで荷主様の成功をサポートし、自身の価値が認められるような仕事になる。単なる保管と入出荷作業の提供、土地と倉庫があれば誰でもすぐに出来るようなレベルの仕事ではなく、その価値を高めるような仕組み、そう簡単に真似できないような高い効率とQualityを仕組みとして安定的に実行継続出来るようなOperationを構築することが、物流倉庫ビジネスの生きるべき道だと考えています。

また、工夫とアイデアで価値を生み出せる物流管理という仕事が好きになっていた自分にとって、”物流の仕事”の地位を向上させたい、価値を高めたい、そこに携わる人材がプライドを持って取り組めるようなスキルフルで社会的価値の高い仕事に昇華させたいという、個人的な思いもあります。


業界構造を変革する、オープンロジ独自の倉庫ネットワーク

オープンロジのビジネスモデルは、物流倉庫が抱える課題を解決し、高い付加価値を荷主様、そして倉庫業界全体へ普及させられる可能性があると思います。

オープンロジは、複数の倉庫を一つのネットワークとし、各倉庫の負荷状況をタイムリーに可視化しようとしています。また、物量の増減に備えて、モノの分散オペレーションにスムーズに対応できるシステムを構築しています。
この取り組み、システムによって、今まで一般的だった荷主様と倉庫の1対1の関係=限られたcapacityでの運用から、1:N、つまり一つの荷主様に対して複数の倉庫でスクラムを組むことができるようになり、荷主様の物量変動に対する柔軟性が格段に高まります。
昨今の小売市場では、”バズる”ことによって急激な物量(販売量)の増減が発生し、元々契約していた一つの倉庫では在庫を保管しきれなくなることがあります。消費者をお待たせしないためには在庫を少しでも多くストックしておけるように一刻も早く新たな倉庫を立ち上げたいわけですが、倉庫の立ち上げはそう簡単にできるものではありません。見積り・契約・自社商品を取り扱う上でのオペレーションの説明など様々なタスクが発生し、およそ1~2ヶ月かかることがほとんどです。

倉庫のcapacityに柔軟性がないことで消費者をお待たせしてしまうことは、荷主様にとっては物流がボトルネックとなり、事業の成長に歯止めがかかることと同義です。
倉庫のネットワークによって倉庫の柔軟性を飛躍的に向上させるオープンロジのビジネスモデルは、このような変動性の高い小売市場にもマッチし、事業の成長をサポートする、非常に魅力的なビジネスモデルです。

この倉庫ネットワークは日本の物流構造を変えるに至る重要なキーにもなります。
私のオープンロジでのミッションに通ずる部分ですが、前述した「単なる保管と入出荷作業の提供で従属関係に陥る倉庫」に、オープンロジはメスを入れ、高い付加価値のあるOperationを構築しようとしています。ただ管理システムを提供するだけでなく、現場のoperationを変革し、それをネットワーク全体に標準化しようとしているオープンロジだからこそ、Speedyに構造変革を成し遂げられると考えています。

付加価値のあるOperation自体は他の倉庫会社でも手作りすることが出来ますが、それでは広がりません。オープンロジの倉庫ネットワークがあるからこそ、出来る事なのです。


物流プラットフォームに進化し続けるオープンロジ

私のミッションはパートナー倉庫様の全体のPerformanceを上げ、品質の良い、スケール感のある高い物流クオリティを現場・システム(プロダクト)双方から実現すること。そして、業界構造を変えうる、より価値の高い倉庫ネットワークを構築することです。

業界の構造変革に向けて現在オープンロジでは、WMSと連動した標準工程、標準作業を定義し、各倉庫様に実装していくことで顧客に一定のパフォーマンスと品質を保証できるよう取り組んでいます。
もちろん、S&OP(Sales and Operations Planning=販売・操業計画)機能の構築にも取り組んでいます。
これによって倉庫側は一連の倉庫管理者業務、荷主様の販売予測や入庫計画をデータとして取得することができ、業務量の平準化を実現させることができます。


物流の未来を変える挑戦

最後に、私はキャリアの集大成として、効率的で品質の高い物流オペレーションを持った倉庫ネットワークを構築し、継続的に運営することを目標にしています。
そして、従事する人々が高い貢献度を感じながら働ける環境を作り出したい。私と同じように物流管理に誇りをもって取り組んでいる後輩たちに、私たちの取り組みをできるだけ沢山伝えたい。
それが物流倉庫業界の価値を向上させ、物流業界全体にポジティブな影響を与えることにもなります。新たな挑戦に取り組む意欲を持つ人々にとって成長と発展の機会を提供できることを願っています。

これまでの経験を活かし、オープンロジで日本の物流業界に新たな価値を提供するために尽力します。
私の目指す道は、物流の未来を変える挑戦に他なりません。